

エルメスの話
今回まで度々国内、世界各国の陶磁器メーカーさんのお話をして来ました。 陶磁器のみのブランドではありませんが 今回は誰でも知ってるエルメス(Hermès)のお話です。 現在の会社の正式名称は エルメス・アンテルナショナル社 (Hermès International, S.A.) 創業年が1837年、180年以上の世界でも稀有な老舗会社です。 エルメス社の母体になったのは「馬具工房」というのは 有名なお話です。 現在でもロゴに描かれている「デュック&タイガー」は馬具工房に由来があります。
※デュックは四輪馬車で、タイガーは従者のこと。
このロゴマークに主人が描かれていないのは 「エルメスは最高の品質の馬車を用意しますが、それを御すのはお客様ご自身です」
という意味が込められているためだとか。 エルメス社は自動車文化の発展を予見して馬具工房から 鞄や財布などの皮革製品に事業転換を図り今日の成功に至ります。 他のハイメゾンブランド(ルイ・ヴィトンなど)に比べ エルメス社の買収戦略は職人技の維持を第一目標にしてのものだそうです。 そのため買収


ブリキの話
ブリキのおもちゃ 聞いたことありますよね? ではその「ブリキ」 そもそもブリキとは一体なんのことでしょう? 知ってる方もいらっしゃるかと思いますが 以外にご存知ない方も多いかと思いますので 今回ブログで扱ってみたいと思います。 そもそもの語源からいってみたいと思います。 錻力・鉄葉は日本語での当て字です。 語源はオランダ語の「blik」といわれています。 日本語で「板金・鈑金」(英語:sheet metal)を表す言葉が
語源となっているようですが異説もあるようです。
端的に言うと鋼板にスズをめっきしたものです。
缶詰など、常に水分と接触する部材に用いられる
金属コーティングの技術です。
ちなみにトタン屋根で有名な「トタン」
トタンは亜鉛をメッキしたものです。
戦後復興期ブリキ製のおもちゃは海外で 一定の評価と需要があり、外貨の獲得に貢献 現在も根強いコレクターがたくさんいらっしゃいます。 そんな素材のお話でした。 ※写真はブリキ製のやかん


春画 淫 THE WORLD
秋の夜長 少し艶っぽい話題とさせていただきます。 春画のお話です。 古今東西、世界中から 日本の春画、特に江戸時代の浮世絵は大人気 ロンドンの大英博物館では、1960年代まで 「シクレターム(秘密)」と呼ばれる部屋に春画が保管されていたそうですし ジャポニズム時代のフランスの美術家たちは優れた絵画として
春画、浮世絵を認めていたとのことです。 特筆すべき画家では
ロダン、ロートレック、ピカソといった画家たちに 影響を与えたと言われています。 やはりこういったテーマは世界共通の興味関心事ですよね。 古くはなんと!
古代文明、シュメールの洞窟に描かれていたと言いますし
中国、エジプトの古代文明にも遺っています。
日本では室町時代〜江戸時代に一般庶民にも拡まるようになりました。
春画の利用法の一つとして、ユニークなのは
災難よけの一種のお守りとしての機能があったそうです。
武士は鎧の下に男女性交の図を厄除けの守りとして忍ばせたそうです。
これは「勝絵」と呼ばれ、後世になると商人が火事を避ける願いを込めて
蔵に春画


マイセンの話
さて。 先週のウェッジウッドに引き続き。 陶磁器の話を続けていきます。 今週はマイセンのお話です。 昔々、白磁は東洋から伝わった それは大層な高級品であったとのこと 当時の西洋社会では憧れの品でありました。 当然各国が凌ぎを削り開発に乗り出します。 ここがヨーロッパらしいのですが(苦笑) 一人の錬金術師ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーを ザクセン選帝侯兼ポーランド王のアウグスト2世が幽閉(!)し 開発を命じ、錬金術師ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーは見事 白磁の開発に成功し、西洋磁器の歴史の幕が上がる。 1709年のことでありました。 翌年1710年、ドレスデンに「王立ザクセン磁器工場」が設立され、 硬質磁器製造の独占権が与えられ、これが現在の 「国立マイセン磁器製作所」の始まりです。 初期のマイセンのデザインは 日本の伊万里焼の影響も受けているそうです。 贋作防止の理由で、マイセンの陶磁器には 交差した2本の剣のトレードマークが 1723年から用いられており これは現在まで使われているトレードマークの中では もっとも古くからあるものの一つとなっ


Wedgwoodの話
ウェッジウッドは正式名称を ジョサイア・ウェッジウッド・アンド・サンズ (Josiah Wedgwood and Sons)といい ロイヤルドルトン社と並ぶ世界最大級の陶磁器メーカーの一つです。 ※写真はWEDGWOOD シュガーポット AMHERST アムハースト その歴史は古く1759年に設立されました。 今も結婚式の引き出物や贈答品として変わらぬ人気を誇っています。 1765年にはシャーロット王妃に 会社の代表作となる、エナメルを用いたクリーム色の陶器を開発、完成させて納められ、 「クイーンズウェア(女王の陶器、Queen's Ware)」 という名称の使用が許可されました。 いわゆる王室御用達です。 このころのイギリスは産業革命の只中 社会の仕組みが大きく変わった時代です。 その中で大きく会社を育て上げた一つのポイントとして 「ブランディング戦略」があります。 近年の研究では他者の商品との価格競争ではなく むしろ高い値段で販売していたことが明らかにされ そのデザインやブランドイメージによる差別化を行なっていたとされています。 今もこの「ブ