着物 直線の美学
夏、浴衣の若い女性の方本当に増えましたね! 和装への入り口として本当に喜ばしいことです。
今回はこの浴衣、着物、和装について
多少、アカデミックにお話ししたいと思います。
世界の衣類を二つのジャンルに分けると
欧米の衣服のように身体を緊密に包む窄衣(さくい)型と
身体に布をかけて着る懸衣(かけぎぬ)型の2つに分けられます。 和服は後者でありまして、長着を身体にかけ、帯を結ぶことによって着つける衣服です。 欧米の衣服は体に沿わせるので曲線的
対して和服は反物から直線で切り取ったパーツを縫い合わせた 平面的な構成により造形されます。 和服は直線的で建築的な印象を私個人としても感じています。 女性の着物にその直線的な部分は顕著に出ています。 襟の部分や胸元からストンと真っ直ぐに造形される部分など
直線を出すことで美しさを表現していることがわかります。

着付けの際に補正したりしますが、襟元の部分など 男女ともに襟元がたわんだり膨らんだりすると だらしなく観えるのはそういう観点からすればとても納得できます。 帯も四角の長方形ですし、着物はたたむと
四角になります。

この「直線的」であることをより一層意識すれば
着物はより美しく観えると言っていいと思います。
この直線的な外観に
女性らしい曲線を隠すことによって
女性の魅力が引き出されているような気がいたします。 このような美学も日本的でとても好きな部分です。